【大学院試験対策】反応進行度と反応速度

化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうる大事な用語やキーワードの説明や導出をしています。

今回は物理化学、化学熱力学の分野の中から反応進行度と反応速度というテーマを扱っていきます。

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反応進行度と反応速度

反応速度

化学反応における反応速度の書き方について統一的な書き方について確認しましょう。

ある化学反応において、ある時刻での反応速度は特定の反応物の化学種の濃度[X]を用いて次のように書けます。

​​

また生成物の濃度[X]を用いれば、次のようにもかけます。

例えば、という反応の場合、

であり、

​​

である。しかしながら、化学反応式の量論的関係より、

とならなければいけません。

このように、化学反応の速度はどの化学種の濃度を基準にかんがえるかで複雑になってしまいます。

そこで、これらを統一的に書く手段を考えます。

反応進行度

そのときに用いられるのが反応進行度です。

反応進行度は、以下のページですでに解説していますが、もう一度簡単に説明します。

https://daigakuchem.com/stoichiometry/

反応進行度は、という記号でかかれます。

結論から言うと反応進行度は次のようにかけます。

はある化学種の終わりの物質量で、はある化学種の始まりの物質量です。

は、ある化学種の量論係数(化学反応式での係数)です。

反応進行度を用いた反応速度

この反応進行度には特定の物質の情報を含んでおり、かつ量論係数の商が取られているので、反応進行度を用いて反応速度を書き表すことができます。

これが反応進行度の変化を表す式で、式中のVは系の体積です。

まとめ

大学院試験対策におすすめの参考書

最後に大学院試験対策におすすめの参考書を紹介します。

本サイトでは基本的な問題の解説をしていますが、著作権などの都合上、問題設定や数値はオリジナルの問題になっています。

実際に大学院試験に出題された問題を見たいという方はこれらの参考書を使って対策をすることをおすすめします。

おすすめの無機化学参考書

無機化学演習 大学院入試問題を中心に

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こちらの参考書は、原子構造、分子構造、固体構造といった物質の構造や酸化還元や酸塩基などのベーシックな反応に関する問題を取り扱っています。

例題には出題もととなる大学院の名前も書いてあるため、自分の受験する大学院の難易度と比較しながら問題を解くことができます。

例題に対して解説の分量が多く、とても丁寧な書き方がされているので、いきなりこの問題集を使っても問題なさそうです。

おすすめの物理化学参考書

アトキンス物理化学

アトキンス物理化学(上)

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アトキンス物理化学(下)

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アトキンス物理化学は、物理化学の参考書としてはよく用いられています。

マッカーリサイモンの物理化学の参考書とよく比較されますが、私個人としては、こちらの方が図表がきれいに並べられているため見やすいと感じています。

また演習問題が多く、これ一冊で大学院の対策ができることもいい点です。

ただし、アトキンス物理化学 第10版の演習問題の解答は別冊になっており、とても高価です。

アトキンス物理化学第10版の解答はこちら

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さらに、解答はすべて英語になっているので、演習問題で解答が必要な人にとっては少々演習がやりにくく感じるかもしれません。

そのときには、下の参考書を使うとよいでしょう。

物理化学演習 1―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)

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アトキンス物理化学の演習問題の答えがないときには、こちらの物理化学演習の参考書を買うのも一つの手でしょう。

こちらは例題と解答がセットで並んでいるため、効率よく問題演習に取り組むことができます。

 

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