化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうる大事な用語やキーワードの説明や導出をしています。
ファントホッフの式
ファントホッフの式は、温度の関数として平衡定数の自然対数をプロットしたときの勾配を表す式です。
ファントホッフの式
結論から言うとファントホッフの式は次のように書かれます。
あるいは次のような式で書かれることもあります。
ファントホッフの式の導出
まず、平衡であるときのギブズエネルギーの変化から
この両辺を温度で微分すると、
この左辺についてもっと簡単にするために、ギブズヘルムホルツの式を用います。
このギブズヘルムホルツの式を反応標準ギブズエネルギーと反応生成エンタルピーの形で用いると冒頭にあげた式であるファントホッフの式が得られます。
ギブズ-ヘルムホルツの式
ここでギブズ-ヘルムホルツの式の確認をしましょう。
ギブズ-ヘルムホルツの式は次のように表されます。
この式は、ギブズエネルギーと絶対温度の比がエンタルピーによって表されることを意味しています。
【参考】ギブズ-ヘルムホルツの式の導出
ギブズヘルムホルツの式の導出を参考程度にあげておきます。
・・・①
ここで、熱力学基本式から得られるマクスウェルの関係式より
であるので、
・・・②
この式②を式①に代入することでギブズ-ヘルムホルツの式が得られる。
例題 ファントホッフの式を利用した問題
300Kでの平衡定数をであるとすると、400Kでの平衡定数は何になるか?
ただし、この反応の標準エンタルピー変化をとし、平衡定数を・とする。
解答
まとめ