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1,2-付加反応と1,4-付加反応
共役系の一つだけのπ結合が関与する付加反応は1,2-付加反応と呼ばれます。
それに対して、共役系に対し、二重結合をひとつ挟んだ形で付加する反応を1,4-付加反応と呼びます。
これらどちらが起こるかは、最終生成物の安定性が影響します。
α,β不飽和アルデヒドおよびケトンの共役付加反応で、水、アルコール、アミンなどの求核剤を用いた場合を考えます。
1,2付加反応ではアセタールや、ヘミアナタールなど不安定な物質が生成し、1,4付加反応では、カルボニル化合物が生成されるため、より安定な1,4付加反応が優先されます。
しかし、代わりに、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンなどのアミン誘導体を用いた場合は例外として、1,2付加でイミンが生成します。
1,4付加でエノールが生成した場合、ケト・エノール変換によって、ケト型にかわると、二重結合の位置が代わり、付加された位置が変化し、1,2付加のようにみえることがあります。
有機金属反応剤を用いた場合
Grignard反応剤などとα,β不飽和カルボニルが反応する場合、1,2付加と1,4付加の両方を起こす可能性があるのであまり有用ではありません。
しかし、有機キュプラート(R2CuLi)と呼ばれる化合物を用いれば、選択的に1,4-付加を起こすことができます。