【有機化学】交差アルドール縮合

先ほどのアルドール縮合は同一分子で行われていたが、違う分子だったらどうなるでしょうか

たとえばアルデヒドAという物質とアルデヒドBという物質間で行われたとすると、Aがエノラートになり、Bに攻撃する場合と、Bがエノラートになり、Aに攻撃する場合。そして、先ほど同様、同一分子を攻撃する場合も考えると、結果として4種類できるということがわかります。

この4種類から1種類だけを選択的に生成する方法を考えます。

結論から言うと、片方の分子をエノラート化させないということです。

エノラート化するためには、まずα水素の塩基による引き抜きが必要となります。もしα炭素の結合が他の炭素基で埋め尽くされて、α水素を持たなかったとすれば、エノラート化はおきません。

そうすれば、すくなくとも4種類のうち、片方のエノラートが関わる2種類は起きないことになります。

ではあと2種類のうち1種類を選択するにはどうするか。それは濃度が関わってきます。

Aがエノラートで、Bに攻撃する反応を選択したいとき、上記のようにBは、エノラートにならないように、α水素がない状態で行います。そして、AがエノラートでAに攻撃する反応を抑制したいので、Aの濃度を下げ、Bの濃度を上げて反応を起こします。

こうすれば、A同士の反応は起こりづらいことになります。

実際の実験では、塩基の存在下にエノール化できないアルデヒドを高濃度入れておき、そこにエノール化できるアルデヒドを少しずつ加えていきます。

こうすることで選択的に1種類のアルドール縮合を起こすことができます。

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