今回は無機化学分野ででてくるミラー指数について説明します。
「ミラー指数」ってなんだ?という方に向けての記事です。
ミラー指数とはなにか?
結論からいうと、ミラー指数は結晶面とその方向を記述するためのものです。
結晶面というとイメージが湧きづらいかもしれませんが、
単位格子が”ブロックでの繰り返し”で結晶を記述していたのに対して、
結晶面は”面”の繰り返しとして結晶を表現したものとおもっていいでしょう。
すると、結晶の中に、この結晶面が平行で等間隔に並んでいると考えることができます。
この結晶面がどのような方向を向いているのかを考えるのがミラー指数と考えていいでしょう。
ミラー指数の実際
それでは具体的にどのような形で表されるのでしょうか。
ミラー指数は(hkl)という風に表されます。※カンマ(,)が途中で入ってないことに注意。
具体的には(1 0 0)(0 0 1)(0 1 1)(2 0 1)などです。
たったこの3つの数字で格子面を表現できていることになります。
それではこの仕組みについて理解していきましょう。
ミラー指数の仕組み
なぜ、3つの数字で格子面を表現しているのか。
それはざっくりと説明すると、”面”が3つの点をとれば決まるという簡単な説明ができるでしょう。
つまり、(hkl)の3つの数字がそれら3つの点を表現しています。(とても大雑把な説明です)
正確には、3次元の任意の座標軸におかれた単位格子と原点に一番近い面を考えます。
その座標軸と面が交わる3点の原点からの距離の逆数をとり、簡単な整数比を求めたものがミラー指数です。
この辺の求め方は、図などをみるとわかりやすいので、教科書や参考書で図を見ながら考えることをお勧めします。
おすすめの参考書・教科書
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