前回の記事で常磁性体と反磁性体の違いと磁化の違いをみてみました。
今回は常磁性の磁化に関する法則であるキュリーの法則をみてみましょう。
この記事を読めばキュリーの法則がなにかを簡単に説明できるようになります。
化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうるテーマや用語について説明します。 今回は無機化学分野の中から常磁性と反磁性というテーマを扱っていきます。 三つの磁性体 磁性体は、反磁性体・常磁性体・強磁性体の3つに分[…]
キュリーの法則
結論から言うと、キュリーの法則はつぎのように表されます。
$$
\chi=\frac{C}{T}
$$
この式は常磁性体での磁化率を表しています。
T は絶対温度で、Cは物質固有の定数であるキュリー定数です。
磁化率\(\chi\)は、外部磁場をかけたときにできる磁化の割合ですので、磁場Bと磁化Mを用いて次のように書き換えられます。
$$
\mathbf{M}=C \cdot \frac{\mathbf{B}}{T}
$$
※ この法則は高温または弱い磁場についてのみ成り立つ
キュリーの法則に関連する法則
・キュリー・ランジュバンの法則
キュリー・ランジュバンの法則は、キュリーの法則の別名です。
キュリーの法則は、ピエール・キュリーにより実験的に見出され、その後、ポール・ランジュバンが式として理論的に導出したので、別名としてキュリー・ランジュバンの法則と言われることもあります。
・キュリー・ワイスの法則
キュリー・ワイスの法則は、反磁性体・強磁性体に成り立つ式です。
$$
\chi=\frac{C}{T-\theta_{p}}
$$
このように表され、θという常磁性キュリー温度という変数が加わった形をしています。