【大学院試験対策】溶液の移動に関係する法則類

化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうる大事な用語やキーワードの説明や導出をしています。

今回は物理化学、化学熱力学の分野の中から溶液の移動に関係する法則類というテーマを扱っていきます。

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溶液の移動に関係する法則類

ストークスの法則

動いている溶液中のイオンは、そのイオンを妨げられるような力が働きます。

この力はイオンの速度に依存します。

この法則をストークスの法則といい、次のように表されます。

​​​​

このとき、イオンは球状であると仮定しており、その半径をrとしています。

この半径は流体力学半径あるいは、ストークス半径と呼ばれます。

また​は粘性率というパラメータです。

移動度

次に移動度というものをみていきます。

移動度はイオンの速度を電場で割ったものです。

外部の電界に対する移動のしやすさだと考えて大丈夫です。

​​

移動度と伝導率の関係

移動度と伝導率の関係は次のようなものがあります。

移動度を中心に書き直すと

移動度と拡散係数の関係

移動度と拡散係数の関係には次のようなものがあります。

これはアインシュタインの関係といわれるものです。

さきほどの移動度と伝導率の関係​を用いると

これをもちいて、コールラウシュのイオン独立移動の法則​を書き換えると次のようになります。

これをネルンスト-アインシュタインの式と言います。

これは移動度を通して、伝導率とイオンの拡散係数を結びつけるものです。

実際の実験では伝導率を測定することで、イオンの拡散係数を求めることができます。

ストークス-アインシュタインの式

つぎにストークスアインシュタインの式をみていきます。

まず、はじめにさきほどの移動度と拡散係数の関係を用います。

ここで、つぎの二つの関係からこの式を書き直します。

はアボガドロ定数です。これらを使って、

​​

と書き直します。

また、移動度を次のように書き、(1)の式を用いて​​を消去します。

ストークス-アインシュタインの式はこのように書けます。

まとめ

 

大学院試験対策におすすめの参考書

最後に大学院試験対策におすすめの参考書を紹介します。

本サイトでは基本的な問題の解説をしていますが、著作権などの都合上、問題設定や数値はオリジナルの問題になっています。

実際に大学院試験に出題された問題を見たいという方はこれらの参考書を使って対策をすることをおすすめします。

おすすめの無機化学参考書

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こちらの参考書は、原子構造、分子構造、固体構造といった物質の構造や酸化還元や酸塩基などのベーシックな反応に関する問題を取り扱っています。

例題には出題もととなる大学院の名前も書いてあるため、自分の受験する大学院の難易度と比較しながら問題を解くことができます。

例題に対して解説の分量が多く、とても丁寧な書き方がされているので、いきなりこの問題集を使っても問題なさそうです。

おすすめの物理化学参考書

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アトキンス物理化学は、物理化学の参考書としてはよく用いられています。

マッカーリサイモンの物理化学の参考書とよく比較されますが、私個人としては、こちらの方が図表がきれいに並べられているため見やすいと感じています。

また演習問題が多く、これ一冊で大学院の対策ができることもいい点です。

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さらに、解答はすべて英語になっているので、演習問題で解答が必要な人にとっては少々演習がやりにくく感じるかもしれません。

そのときには、下の参考書を使うとよいでしょう。

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アトキンス物理化学の演習問題の答えがないときには、こちらの物理化学演習の参考書を買うのも一つの手でしょう。

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