分子分光法の分類について説明します。
分子分光法
分子分光法とは、試料に電磁波をあて、そのスペクトルを観測したり、散乱量や吸収量や透過量などをみることにより、試料の構造や物性を調べたり濃度などを定量する方法の総称です。
さまざまな種類の分光法があり、目的や試料によって分光法を使い分けます。
おおまかな測定の手順としては、光源→試料→(散乱or反射or透過)→分光器→検出器という流れです。
それでは主な分光法についてみていきましょう。
発光分光法と吸光分光法
分子は電磁波を受け取ると低いエネルギー状態から高いエネルギー状態へと遷移します。
また逆に、高いエネルギー状態から低いエネルギー状態へと遷移するとき、その分のエネルギーを電磁波として放出します。
このとき、発光つまり、電磁波の放出をみるのが発光分光法で、吸収をみるのが吸光分光法です。
ラマン分光法
物質に電磁波を当てると一部分の電磁波は散乱されます。
そして、その散乱光にはレイリー散乱とラマン散乱があります。
レイリー散乱はそのまま電磁波を跳ね返すため、当たった電磁波と散乱された電磁波の波長が同じです。
しかしラマン散乱によって散乱された電磁波(ラマン散乱光)は、当たった電磁波よりも長い波長となって散乱されます。
このラマン散乱光を観測することで分子のエネルギー状態の変化をみるのがラマン分光法です。
ラマン散乱 ・・・波長が長くなる散乱(エネルギーが小さくなる)
→ラマン散乱光を利用したのがラマン分光法
ラマン分光法の基礎(2) ラマンスペクトルの特徴…
参考書
分光法に関しては、それぞれの分光法の専門の本を読むのがいいでしょう。