PCC酸化の概要
名称:PCC酸化
※大ケミでは、おぼえやすくするために勝手に名前をつけています。
これは正式な名称ではない場合があるため、論文などを書いたりする際には適切な名前を使いましょうね。
まずは、ここだけおぼえる。
・PCC酸化は、アルコールからアルデヒドを作る反応。
さらに学びたい人はここもおぼえる。
・PCCという酸化剤を使っている。
・PCCを使うことでアルデヒドの過剰酸化を防いでいる。
それでは詳しい説明を一緒に確認していきましょう
これ以降は深い内容になるので試験前で時間がない人は読まなくて大丈夫です。
PCC酸化をもうちょっと詳しく
図 PCC酸化の反応機構
おそらく、有機化学の最初のほうに習った内容だと思います。(記憶が曖昧(-.-))
そのわりに教科書には説明がすくなく、なんじゃこりゃとおもった覚えもあります。
PCC酸化で私が一番大事だと思っているのは、アルコールの酸化がアルデヒドまでで終わるということです。
本来、第一級アルコールは、アルデヒド、そしてカルボン酸へと反応していきますよね。
しかし、PCC酸化はそれが起きません。
それはなぜかというと、有機溶媒中で反応が行われるからです。
本来、アルコールからカルボン酸への過剰酸化は、水の存在下で硫酸を触媒にして行うため、水がない状況にすればアルコールの酸化をアルデヒドまでで止めることができます。
そして、水のない有機溶媒のなかで酸化を起こせるのがこのPCCなのです。
中間体はクロム酸エステルです。
クロム酸エステルのクロム原子から炭素より遠い部分が脱離することでアルデヒドを生成します。
このとき、酸素が炭素ならば、これはE2反応だとみなせます。
なので、PCC酸化のこの部分の反応機構はE2反応のようだと書かれている参考書もありました。
E2反応は、脱離基の脱離と脱プロトンが同時に起こる反応でしたね。
そしてその脱離の仕方は立体特異的でした。(トランス脱離)
今回はカルボニル化合物を生成しているので、トランス脱離でも立体の構造は変わりませんが、復習として思い出しておきましょう。
以上が、PCC酸化の説明になります。
ありがとうございました^^