化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうる大事な用語やキーワードの説明や導出をしています。
今回は物理化学、化学熱力学の分野の中から微分型の速度式と積分型の速度式というテーマを扱っていきます。
微分型の速度式と積分型の速度式
微分型の速度式と積分型の速度式
化学反応の速度を表すとき、多種多様な方法があります。
以下のぺージでは反応進行度(グザイ)を用いて、反応速度を表しました。
結論だけ書くと次のようになります。
この反応速度は微分方程式の形で書かれています。
あるいは、
のようにあらわされる場合も微分型の速度式です。
この形で速度式があらわされる場合には、時間で積分することである時間での濃度を理解することができます。
このように微分方程式を解いたあとの速度式を一般化したものが積分型の速度式と言われるものです。
1次の速度式()
1次の速度式とは、反応速度がある化学種の濃度の1乗にのみに依存するような速度式です。
例えば次のようなものです。
この微分方程式を解くと次の解がでてきます。
この微分方程式の解き方はよく知られているものですが、もう一度ここに書きたいと思います。
1次反応の積分型の速度式
2次の速度式
2次の速度式とは、反応速度がある化学種の濃度の2乗にのみに依存するような化学式です。とはいえ、
反応速度が何種類の化学種に依存するかどうかで積分型の速度式は変わってしまいます。
1種類の化学種の濃度の2乗に依存する場合()
結論から書くと次のようになります。
これを変形させると、
となりこの形でも2次の速度式は表現されることがあります。
2種類の化学種の濃度に依存する場合()
この場合も、化学反応式の量的関係によって変化するのですが、今回は
A+B→Pの形で表されるものとします。
この場合、結論だけかくと、
のようになります。
まとめ
今回紹介した以外にも反応の濃度依存性に応じてさまざまになります。
そのたびごとに、微分方程式を解くことが必要です。