熱や仕事という概念は化学熱力学ではよく使われるものですが、抽象的であるために、勘違いをしやすい部分でもあります。
そういえば、高校の時、”内部エネルギーの変化はされた仕事ともらった熱の和です”なんて習った気がしますね。
でもそもそもその二つが何が違うのかよくわからなかったままでした。
今回は、化学熱力学の世界を理解するために、熱と仕事の違いをしっかり学んでおきましょう。
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熱運動
分子の乱雑な運動を熱運動といいます。
氷とか固体のままならビシッと分子が止まっているイメージなのに対して
水や水蒸気になるとだんだんバラバラになっていくイメージがありますよね。
つまり、温度が高くなると、分子の熱運動は激しくなります。
つまり、外界が系のエネルギーを高めるとき、分子を刺激して熱運動を高めていると考えることができます。
熱と仕事
このように分子論的にみたとき、熱と仕事の区別は、系ではなく外界の方できまります。
ピストンを押したり、電流を流したりするのは、秩序立った方向に原子を動かすため、これを仕事といいます。
一方外界との温度差を利用したエネルギー変化は、外界の熱運動という不規則な運動による変化であるために、熱によるエネルギー輸送になります。