【化学熱力学】1-1 状態変数と状態方程式

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状態変数

あるの状態は、系に含まれる気体の物質量(n)、体積(V)、圧力(P)、温度(T)がきまると特定される。これら状態を特定する変数を状態変数といいます。

再確認しよう

とは、考察の対象として注目している部分である

・系ではない考察の対象としない部分は外界という。

圧力

気体分子が、容器の壁へと絶え間なく衝突していると考えます。

このとき、衝突の回数は非常に多く、一様な力が壁にかかると考えます。

これを圧力とし、SI単位では1Pa=1N・m-2 =1kg•m-1•s-2であらわします。

再確認しよう

SIとは、国際単位系(International System of Units)であり、SI基本単位は、定義から導き出される基本となる単位である。

・SI基本単位は長さ:メートル m、質量:キログラム kg、時間:秒 s、電流:アンペア A、熱力学温度:ケルビン K、物質量:モル mol、光度:カンデラ cd である。

その他にも、barや、atm、Torrなども圧力の単位として用いられ、状況によって使いやすい単位を選びます。

物理量のあたいは、試料にかかる圧力に影響されるため、標準圧力1barを用います。

覚えておこう 圧力の単位

・パスカル 1Pa=1N/m =1kg/m•s2

・バール 1bar=105 Pa

・気圧(アトム) 1atm=101.325kPa

・トル     1Torr=101325/760 Pa=133.32…Pa

( 1トルはトリチェリの水銀柱の水銀柱1ミリメートルと同じ値で定義される)

圧力の測定は、ベヤード-アルバート圧力計などを用いて測定されます。

これは、気体分子のイオン化に基づいています。

温度

本質的には、エネルギーが熱として流れる方向を決める性質だとされ、温度の高い方から低い方へとエネルギーは流れます。

熱力学温度は、最低の温度をT=0として設定する温度で、T=0よりも高い温度はケルビン目盛あるいはセルシウス目盛が使われます。

状態方程式

上でみた状態変数(物質量、圧力、体積、温度)を決めると状態は決まりますが、これらは互いに相関があるので、実際にはこの4つのうち3つが決まれば、後の状態変数は決まります。

これらの相関を表す方程式を状態方程式といい一般的には、

$$p=f\left( T,V,n\right)$$

と表されます。

この方程式は、圧力pが、他の三つの状態変数によって決まることを示しており、理想的な完全気体では、

$$p=\frac {nRT}{V}$$

この関係を完全気体の法則あるいは、完全気体の状態方程式といいます。

この方程式から熱力学の幅広い関係が導き出されるため、物理化学における重要な方程式となります。

まとめ

まとめ

・系の状態を決める変数を状態変数といい、気体では、物質量(n)、体積(V)、圧力(P)、温度(T)の4つにより決定されます。

・それら4つの状態量の関係は気体の状態方程式で表されます。

・特に、完全気体の状態方程式は物理化学において極めて重要です。

$$pV= nRT$$

(完全気体の状態方程式)

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