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量子化学の近似法
変分法と摂動法
変分法とは、理想的な関数を探すうえで、エネルギー期待値が最小になるように、パラメータを調整していく方法。
摂動法とは、既知の状態の波動関数を用いて新たな力(摂動)が加わった場合の波動関数を考える方法。
摂動法のイメージ
波動関数の組を決めているのはハミルトニアンです。
ハミルトニアンが少し変わると、ハミルトニアンで決まる波動関数の組も少し変わります。
この新しくできる波動関数をもとの波動関数の組の組み合わせで表現する方法です。
例 井戸型ポテンシャル
電荷qの粒子が井戸型のポテンシャルの間に閉じ込められているとする。
つまり、の地点でポテンシャルが無限大であるとする。
このとき、摂動がない状態では、次のように波動関数を表すことができる。
ハミルトニアンは、粒子の運動エネルギーとポテンシャルエネルギーを合わせたものです。
このとき、井戸の内部に電場を加えたとします。
すると、このとき新たなポテンシャルがハミルトニアンに加わることになります。
このポテンシャルをとし、先ほどのシュレディンガー方程式を書き直すと、
次のようになります。
やはλに依存するもので、これらはλでテイラー展開することができます。
摂動がかかる前の状態での基底状態は、であるゆえ、
λで展開した後の式は、次のようにかける。
=
という記号は、をλで微分したものに、λ=0を代入した値です。
このとき、λやλの2乗の係数であるやを考える。
これらは、λの値を代入しているため残りはxの関数になります。
そこで、無摂動の状態での波動関数で展開してみます。
すると、
とそれぞれあらわされます。
これらの式を用いて