【大学院試験対策】量子数に関する問題

化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうる例題を掲載しています。

どの例題も典型的な問題であり、さらに出題されている数値をごく簡単な値に調整しているため、計算に時間をかける必要は不要です。

その分、厳密な値ではないのに注意してください。

今回は無機化学、量子化学の分野の中から量子数に関する問題を扱っていきます。

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量子数に関する問題

量子数と軌道に関する表

n l 軌道の名称
k 1 0 0 1s
l 2 0 0 2s
1 -1,0,1 2p
m 3 0 0 2s
1 -1,0,1 2p
2 -2,-1,0,1,2 2d

 

量子数に関する用語の説明

主量子数 :その電子のもつエネルギーを決めるものです。

方位量子数 :軌道の形を決めるものです。

磁気量子数 :軌道の方向を決めるものです。

スピン量子数 :電子スピンの向きを決めるものです。

量子数に関する原理とそれに関する用語の説明

パウリの排他原理:2つ以上のフェルミ粒子は、同一の量子状態を占めることができないという原理

フェルミ粒子:ディラック定数の半整数倍の強度のスピン角運動量を伴う粒子のこと。それに対する言葉がボース粒子

ボース粒子:ディラック定数の整数倍の強度のスピン角運動量を伴う粒子のこと。

ディラック定数():換算プランク定数ともいう。プランク定数()をで割ったもの。

例題

(1)原子軌道に関する4つの量子数の名称を日本語で全て書きなさい。

(2)4つの量子数がすべて同じになるような二つの電子は存在しない原理を何というか。

(3)主量子数が2をとるときに、方位量子数、磁気量子数がとりうる値の組を答えなさい。

解答

(1)

主量子数

方位量子数

磁気量子数

スピン量子数

 

(2)パウリの排他原理(排他律)

 

(3)上の表を参照。

(n,l,m)=(2,0,0),(2,1,-1),(2,1,0),(2,1,1)

 

大学院試験対策におすすめの参考書

最後に大学院試験対策におすすめの参考書を紹介します。

本サイトでは基本的な問題の解説をしていますが、著作権などの都合上、問題設定や数値はオリジナルの問題になっています。

実際に大学院試験に出題された問題を見たいという方はこれらの参考書を使って対策をすることをおすすめします。

おすすめの無機化学参考書

無機化学演習 大学院入試問題を中心に

こちらの参考書は、原子構造、分子構造、固体構造といった物質の構造や酸化還元や酸塩基などのベーシックな反応に関する問題を取り扱っています。

例題には出題もととなる大学院の名前も書いてあるため、自分の受験する大学院の難易度と比較しながら問題を解くことができます。

例題に対して解説の分量が多く、とても丁寧な書き方がされているので、いきなりこの問題集を使っても問題なさそうです。

おすすめの物理化学参考書

アトキンス物理化学(上)

https://amzn.to/3iZzE1r

アトキンス物理化学(下)

https://amzn.to/3iSFlxW

アトキンス物理化学は、物理化学の参考書としてはよく用いられています。

マッカーリサイモンの物理化学の参考書とよく比較されますが、私個人としては、こちらの方が図表がきれいに並べられているため見やすいと感じています。

また演習問題が多く、これ一冊で大学院の対策ができることもいい点です。

ただし、アトキンス物理化学 第10版の演習問題の解答は別冊になっており、とても高価です。

アトキンス物理化学第10版の解答はこちら→https://amzn.to/3vBdsgA

さらに、解答はすべて英語になっているので、演習問題で解答が必要な人にとっては少々演習がやりにくく感じるかもしれません。

そのときには、下の参考書を使うとよいでしょう。

物理化学演習 1―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)

https://amzn.to/3cWhLN7

アトキンス物理化学の演習問題の答えがないときには、こちらの物理化学演習の参考書を買うのも一つの手でしょう。

こちらは例題と解答がセットで並んでいるため、効率よく問題演習に取り組むことができます。

 

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