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内部エネルギーが温度一定なら変化しないのは本当か?
結論から言うと、内部エネルギーは温度一定であっても変化する場合があります。
それは実在気体の場合です。
理想気体の場合には温度一定の変化のときに内部エネルギーの変化は0としてもよいです。
それは、内部エネルギーの基本式
を温度一定という条件のもとdVで各項を割ることで始まります。
また、ヘルムホルツエネルギーのマクスウェルの関係式よりであるので、
理想気体ではであるので、
となります。
よってとなり、等温時の気体の内部エネルギーの体積による変化が0になることが示されました。
しかし、実在気体では圧力はつぎのようにあらわされます。
つまり
となり、ファンデルワールスの状態方程式の中の分子間力の寄与する項が残ります。
つまり、実在気体の分子間力が大きいほど体積を増加したときに内部エネルギーは大きく変化することがわかります。
このように内部エネルギーは、等温では変化しないというのは理想気体だけの話であり、実在気体ではそうではありません。
問題文をよく読んでから内部エネルギーの変化は0と判断しましょう。