コリジョンとはなにか
コリジョン(collision)とは、英語で衝突のことです。
ネットワークでいう衝突とはつまり、通信中のデータ同士がぶつかることを指します。
このコリジョンを防ぐためには、異なる機器の間で2本の線があれば問題ないですよね?
車道を考えると、両側二車線の道路であれば、車同士がぶつかることはありませんよね?
これをインターネットの世界では、全二重またはフルデュプレックス(full duplex)といいます。
つまるところ全二重は双方向通信のことで、互いに好きなタイミングで送信を行えます。
この全二重通信では、データのコリジョンはありません。
データのコリジョンがあるのは次の半二重通信の場合です。
半二重通信とは、双方向通信で一度に片方しか送信できないような通信のことを言います。
つまり、一車線しかない状態でお互い道を譲りあいながら運行している状態をいいます。
このような半二重通信を実現するためにはデータの衝突を防ぐ仕組みが必要になります。
CSMA/CD方式 とCSMA/CA方式
この仕組みがCSMA/CA方式(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance) とCSMA/CD 方式 (Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection) です。
CSMA/CA方式 ,CSMA/CD方式といわれるアクセス制御方式は通信回線を複数の機器が使う際に回線を使用する権利を調整する通信方式です。
CSMA/CA方式 ,CSMA/CD方式 では各デバイスは通信回線が使用されているかどうかを確認し、使用されていない場合には回線を使用し、回線が使用されている場合にはランダムな時間を待機し、その後もう一度回線が使われているかどうかの確認を行います。
それぞれの違いは、 CSMA/CA方式は、無線LANで行われる手法で CSMA/CD方式は有線LANで行われる手法です。
しかしながら、現在のEthernetではCSMA/CDはあまり使われていません
CSMA/CD方式が出題されている問題
A. 各ノードに論理的な順位付けを行い,送信権を順次受け渡し,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
B. 各ノードは伝送媒体が使用中かどうかを調べ,使用中でなければ送信を行う。衝突を検出したらランダムな時間経過後に再度送信を行う。
C.各ノードを環状に接続して,送信権を制御するための特殊なフレームを巡回させ,これを受け取ったノードだけが送信を行う。
D. タイムスロットを割り当てられたノードだけが送信を行う。
問題の正解と解説
CSMA/CD方式は、通信する回線(この問題では転送媒体と表現されています)を使用中か確認したのちに転送するというアクセス制御方式です。
「使用中でなければ送信」「衝突を検知したら時間経過後再度送信」といったところからCSMA/CD方式の記述であることがわかりますね。