大学で無機化学を学ぶのに、どの教科書を使えばいいのか迷う人は多いと思います。
本記事では、大学の無機化学を学ぶ・院試対策に使える定番教科書4冊を、特徴・難易度・読みやすさで比較しながら紹介します。
結論:迷ったら「シュライバー・アトキンス無機化学」
多くの大学で採用 / カラー図表が豊富 / 院試対策にも対応
ただし大学初学者には難しいので、量子化学の基礎を先に押さえてからの取り組みがおすすめ
大学無機化学の定番教科書4冊 一覧比較
| 教科書 | 難易度 | 図表 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| シュライバー・アトキンス無機化学 | 標準〜やや高 | カラー多数 | 主流派の人。院試対策にも |
| リー 無機化学 | 標準 | 白黒 | 1冊にコンパクトにまとめたい人 |
| コットン・ウィルキンソン・ガウス 基礎無機化学 | やや高 | 白黒 | 無機を網羅的に深く学びたい人 |
| ヒューイ無機化学 | 高 | 白黒 | 2冊目に深堀りする上級者 |
無機化学の教科書 詳細レビュー
1. シュライバー・アトキンス無機化学
シュライバー・アトキンス無機化学は、東京化学同人から出版されている無機化学の教科書です。多くの大学で使われる最もポピュラーな教科書です。
図も多くカラーで刷られているためわかりやすくは作られているものの、大学生や大学院生向けとあって取り扱っている内容や用語は難しく、独学で勉強するのは過酷かもしれません。
とくに、第1章は波動関数やシュレディンガー方程式など量子化学の分野が前触れもなく出てくるので、そちらの予備知識がないと読み進めるのが苦しくなるかもしれません。もう少し薄い無機化学の教科書を使うか、量子化学の概論を学習してからシュライバー・アトキンス無機化学に挑むといいかもしれません。
さらに、第6版への改訂を受けて本のサイズがB4版へと大きくなったため、持ち運びには不便になりました。
もし、コンパクトなサイズが良いという方は少し古くても第4版を通販などで購入するといいかもしれません。
- 図が多くカラー刷りのためわかりやすい
- 第1章から難しい用語が用いられており、独学で勉強するのは過酷
- サイズが大きく持ち運びには不便
2. リー 無機化学
こちらはあまり知られていないかもしれませんが、大学の図書館などなら必ずあるであろう名著です。
東京化学同人から出版されており信頼性もあります。ただし、出版年が1982年でその後、改訂もされていないであろうことを考えると、たしかに古いという印象はあります。
シュライバー・アトキンスと違って一冊にコンパクトにまとまっているため、上下巻に分かれているのが嫌な方にはいいかもしれません。
- 1冊にコンパクト
- 古い(1982年)が信頼性あり
- 白黒でカラー図表はない
3. コットン・ウィルキンソン・ガウス 基礎無機化学
こちらも古くから使われ、大学でもよく使われる本です。
無機化学の始めの部分から丁寧に解説していて、網羅的に取り上げられているので深いところまで学習できます。
「基礎」と名前についてはいますが、内容としてはアトキンスやリー無機化学くらいの内容はあるでしょう。
ただ、古さと訳の問題か、文章が読みにくい部分も多いためやや難解かもしれません。
- 網羅的で深い解説
- 「基礎」とあるが内容は本格的
- 訳の問題で読みにくい箇所あり
4. ヒューイ無機化学
こちらも名著です。ただし、他の教科書と比べてやや上級者向けと言われます。
資料も多く内容はディープですが、他の分野の知識がなかったり、化学の初学者には他の易しい参考書を読んでからヒューイ無機化学を読むことをおすすめします。
独学に使う教科書としてはやや難があるでしょう。シュライバー・アトキンス無機化学などを一通り読んだ後に読んでみると新しい気づきがあるかもしれません。
- 上級者向け
- 深い内容で2冊目におすすめ
- 初学者には難しい
院試対策での教科書活用法
大学院入試の無機化学対策では、教科書一冊を完璧にするより、「教科書 + 院試問題集」のセットが効果的です。
院試問題集の定番
無機化学演習 大学院入試問題を中心に
こちらの参考書は、原子構造、分子構造、固体構造といった物質の構造や、酸化還元や酸塩基などのベーシックな反応に関する問題を取り扱っています。
例題には出題もととなる大学院の名前も書いてあるため、自分の受験する大学院の難易度と比較しながら問題を解くことができます。
院試対策の進め方は化学系大学院入試 完全ロードマップもあわせてご覧ください。
こんな人にはこの教科書(選び方ガイド)
- 大学の指定教科書がわからない・他の人と合わせたい → シュライバー・アトキンス無機化学
- 1冊で済ませたい・持ち運びを重視したい → リー 無機化学
- 網羅的・体系的に深く学びたい → コットン・ウィルキンソン・ガウス 基礎無機化学
- 2冊目として更に掘り下げたい・研究室レベル → ヒューイ無機化学
- 院試対策で問題演習を中心に → 無機化学演習(問題集) + 教科書1冊
関連記事
まとめ:大学で無機化学を学ぶための教科書はどれ?
いかがだったでしょうか?
数々の教科書がある中、無機化学に関してはシュライバー・アトキンス無機化学が無難であると思います。
多くの学生や教員が使っている教科書であるため、非常に使いやすく入手もしやすいです。
また、質問するときなども、多くの人が使っている教科書のほうが共通認識がしやすく、ネットでも情報が多くあるでしょう。
そのため、一番人気のシュライバー・アトキンス無機化学をおすすめします。
→シュライバー・アトキンス無機化学をAmazonでチェックする
本記事はAmazon等のアフィリエイトリンクを含みます。リンクから購入された場合、当サイトに紹介料が入る場合があります。価格・在庫状況は購入時にAmazon等でご確認ください。
