閃光光分解は、光化学反応の途中で発生する中間体を観測するための手法です。
閃光光分解は、フラッシュ光分解やフラッシュフォトリシス法(flash-photolysis)と呼ばれたりもします。
今回は閃光光分解についてもう少しくわしくみてみましょう。
閃光光分解で使う電磁波
閃光光分解では必ず2種類の電磁波を用います。
閃光光分解法で使うのはパルス光と呼ばれる形の電磁波です。
この短い光で試料を照射し反応を発生させます。
そのあと、別の電磁波の吸収量をみることで時間に応じた反応の進行をみることができます。
引用:北海道大学理学部 光物性研究室 ポンププローブ分光法
http://phys.sci.hokudai.ac.jp/LABS/hikari/pump/pump.html
閃光光分解法
この閃光光分解法は、高速化学反応の研究に用いられます。
この閃光光分解法の意義は、不安定な中間体を観測できるということです。
とくにラジカル種と呼ばれるものは、極めて反応性が高いためにすぐに違う物質と反応を起こし形を変えていきます。
そのラジカルの時間変化を確認し分子構造、電子構造を理解することができるという点で閃光光分解法はとても有意義です。
もっと知りたい人に:参考書籍
最後に、閃光光分解だけでなくレーザーを使った反応測定法などを扱っている参考書を紹介します。
専門の書籍を読むことが大事ですので、興味を持たれた方は一度本を購入して読んでみることをおすすめします。
初心者向け
上級者向け
・光化学のためのレーザー分光・非線形分光法 (KS化学専門書)
物理化学全体が知りたい人に
※トピック13Cと20Aに閃光光分解法に関する記述があります。