d-d遷移とCT遷移についてわかりやすく解説

d-d遷移ってなんだ?

CT遷移との違いは?

そんなあなたにd-d遷移とCT遷移について説明します

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d-d遷移とCT遷移

金属錯体に関わる電子の移動についてd-d遷移とCT遷移がよく取り上げられます。

これらはどちらも金属錯体の電磁波吸収やそれに伴う色の見え方に関して重要なものです。

これらの違いは金属単体での電子の移動か、金属と配位子にまたがる電子の移動かによって決まります。

それではじっくりとd-d遷移とCT遷移についてみていきましょう。

d-d遷移

d-d遷移は金属錯体の中心金属の内部で起こる電荷の移動です。

まず、前提となるd 軌道は 5 重に縮重しています。

縮重しているので本来は、同じエネルギー準位のはずの軌道が、配位子との相互作用によりエネルギー的に分裂します。

つまり、エネルギーの高い2つのd軌道とエネルギーの低い3つのd軌道へと分かれます

この軌道間の遷移をd-d遷移といい、これが特定の色を示す原因になります。

この辺の詳しい解説はこちらの文章を読むとスッキリするかと思います。

CT遷移

CT遷移は、金属の軌道から配位子の軌道に電子が遷移することを意味します。

つまり、金属と配位子にまたがっての電子の移動です。この移動は金属→配位子の場合もあれば、配位子→金属への電子の移動の場合もあります。

それぞれMLCT (Metal to Ligand Charge Transfer) 遷移、LMCT (Ligand to Metal Charge Transfer) 遷移といいます。

これらの電子の遷移によって、電磁波の吸収やさらに呈色がおこりますが、d-d遷移とCT遷移では、電磁波を吸収する度合いが大きいのはCT遷移と言われています。

 

 

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