ギブズ-デュエムの式の導出

化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうる例題を掲載しています。

どの例題も典型的な問題であり、さらに出題されている数値をごく簡単な値に調整しているため、計算に時間をかける必要は不要です。

その分、厳密な値ではないのに注意してください。

今回は物理化学、化学熱力学の中からギブズ-デュエムの式の導出というテーマを扱っていきます。

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ギブズ-デュエムの式の導出

1成分でのモルギブズエネルギーは、化学ポテンシャルと同じでした。

つまり、

では2成分の場合はどうでしょう。

この場合は、それぞれの化学ポテンシャルを用いて次のように表されます。

化学ポテンシャルも系の組成(つまり、AとBの割合)によって決まるので、上の式から組成を変えたときのギブズエネルギーの変化は次のように表されます。

ここで、化学熱力学の基本式を思い出してみましょう。

今、考えているのは組成を変えた時のギブズエネルギーの変化なので、等温等圧であると考えると、この式は次のようになります。

(1)と(2)を比べると、

という式が得られます。

これこそがギブズ-デュエムの式の2成分の場合です。

この式をk個の成分に一般化することで、次のギブズ-デュエムの式の一般式が得られます。

ギブズ-デュエムの式の活用

それでは、例題を通してギブズデュエムの式の活用方法を考えてみましょう。

例題 ギブズ-デュエムの式

Aという物質とBという物質の混合物を考える。

Aの化学ポテンシャルが3[J/mol]だけ増加したときのBの化学ポテンシャルの変化量を求めなさい。

AとBの物質量の比率を2:3とする。

解答

先ほどのギブズデュエムの式を変形させると、次のようになる。

この式から

 

補足

化学ポテンシャルと同じ考察が部分モル体積においても成り立ちます。

つまり、次のような式が成立します。

このようにギブズデュエムの式はすべての部分モル量に当てはまります。

大学院試験対策におすすめの参考書

最後に大学院試験対策におすすめの参考書を紹介します。

本サイトでは基本的な問題の解説をしていますが、著作権などの都合上、問題設定や数値はオリジナルの問題になっています。

実際に大学院試験に出題された問題を見たいという方はこれらの参考書を使って対策をすることをおすすめします。

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こちらの参考書は、原子構造、分子構造、固体構造といった物質の構造や酸化還元や酸塩基などのベーシックな反応に関する問題を取り扱っています。

例題には出題もととなる大学院の名前も書いてあるため、自分の受験する大学院の難易度と比較しながら問題を解くことができます。

例題に対して解説の分量が多く、とても丁寧な書き方がされているので、いきなりこの問題集を使っても問題なさそうです。

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アトキンス物理化学は、物理化学の参考書としてはよく用いられています。

マッカーリサイモンの物理化学の参考書とよく比較されますが、私個人としては、こちらの方が図表がきれいに並べられているため見やすいと感じています。

また演習問題が多く、これ一冊で大学院の対策ができることもいい点です。

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さらに、解答はすべて英語になっているので、演習問題で解答が必要な人にとっては少々演習がやりにくく感じるかもしれません。

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