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オービタル近似とは?
波動関数は、原子核を中心とし、そこからの距離rの関数によってΨ(r1),Ψ(r2)のように表します。多電子分子になると、波動関数は、r1,r2が複雑に絡み合いますが、これを簡単に表すために、
Ψ(r1,r2)=Ψ(r1)Ψ(r2)
のように積の形であらわすことが多いです。
このとき全体の波動関数は、それぞれの電子を総合した形になっていますが、
個々の電子がそれぞれ自分の軌道を占めると考えたほうが、イメージしやすいのではないでしょうか?
そこで、1s,2s軌道などそれぞれの軌道の波動関数を使って、全体の波動関数を記述する方法をオービタル近似と呼びます。
オービタル近似では、個々の電子がそれぞれの軌道を持ちますが、それらは水素原子型である必要はなく、違った関数を用いることができます。
まとめ
・多電子原子の波動関数は複雑に絡みあう。
・そのための近似法としてのオービタル近似では、個々の電子がそれぞれの軌道を持つと考えます。
・オービタル近似では、それぞれの軌道で特有の関数を持ち、総合の波動関数は、それらの積であらわすことで近似します。