【大学院試験対策】衝突頻度と平均自由行程の問題

化学系の大学院試験直前の対策として、大学院の試験に出題されうる例題を掲載しています。

どの例題も典型的な問題であり、さらに出題されている数値をごく簡単な値に調整しているため、計算に時間をかける必要は不要です。

その分、厳密な値ではないのに注意してください。

今回は物理化学、化学熱力学の中から衝突頻度と平均自由行程の問題というテーマを扱っていきます。

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衝突頻度と平均自由行程の問題

基本事項

今回のテーマで必要な基本事項は次のようなものになります。

ここでの衝突頻度は、マクスウェルボルツマン分布での分子の平均の速さをもとにしています。

用語など 説明
分子の平均の速さ
分子の平均の相対速さ
1分子の衝突頻度
同種分子での衝突頻度
異種分子での衝突頻度

ただし、Nを単位体積あたりの分子数,σを衝突断面積としています。

dは分子の直径であり、を分子の平均直径であり、をそれぞれの分子の単位体積あたりの分子数になります。

 

平均自由行程の説明

1個の分子が衝突しながら飛び回るときの、一回の衝突で進む距離の平均値を平均自由行程λとして定義されます。

衝突頻度zと合わせると、という風に表されます。

前述の衝突頻度と合わせて用いることができます。

 

例題

300K,1atmの条件下で、ネオン分子のでの衝突回数を求めなさい。

衝突断面積をとし、ネオンの分子量をとする。

気体定数 ,アボガドロ定数:

解答

同一分子での衝突頻度なので、

問題文より、,

これらの値を用いて計算をすると、求める衝突頻度は、

大学院試験対策におすすめの参考書

最後に大学院試験対策におすすめの参考書を紹介します。

本サイトでは基本的な問題の解説をしていますが、著作権などの都合上、問題設定や数値はオリジナルの問題になっています。

実際に大学院試験に出題された問題を見たいという方はこれらの参考書を使って対策をすることをおすすめします。

おすすめの無機化学参考書

無機化学演習 大学院入試問題を中心に

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こちらの参考書は、原子構造、分子構造、固体構造といった物質の構造や酸化還元や酸塩基などのベーシックな反応に関する問題を取り扱っています。

例題には出題もととなる大学院の名前も書いてあるため、自分の受験する大学院の難易度と比較しながら問題を解くことができます。

例題に対して解説の分量が多く、とても丁寧な書き方がされているので、いきなりこの問題集を使っても問題なさそうです。

おすすめの物理化学参考書

アトキンス物理化学

アトキンス物理化学(上)

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アトキンス物理化学(下)

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アトキンス物理化学は、物理化学の参考書としてはよく用いられています。

マッカーリサイモンの物理化学の参考書とよく比較されますが、私個人としては、こちらの方が図表がきれいに並べられているため見やすいと感じています。

また演習問題が多く、これ一冊で大学院の対策ができることもいい点です。

ただし、アトキンス物理化学 第10版の演習問題の解答は別冊になっており、とても高価です。

アトキンス物理化学第10版の解答はこちら

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さらに、解答はすべて英語になっているので、演習問題で解答が必要な人にとっては少々演習がやりにくく感じるかもしれません。

そのときには、下の参考書を使うとよいでしょう。

物理化学演習 1―大学院入試問題を中心に (化学演習シリーズ)

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アトキンス物理化学の演習問題の答えがないときには、こちらの物理化学演習の参考書を買うのも一つの手でしょう。

こちらは例題と解答がセットで並んでいるため、効率よく問題演習に取り組むことができます。

 

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